眠れぬ森の美女 / 高岡早紀

間奏のヴァイオリンソロが印象的なモーニング娘。の新曲「女が目立ってなぜイケナイ」ですが、ヴァイオリンといえばこの曲を思い出しますねえ。　1988 年リリースの 2nd シングルです。　作詞が真名杏樹、作曲と編曲が加藤和彦という布陣で、マドラスのキャンペーンソングにもなっていたし、耳にしたことがある人は多いかも知れません（そこそこの年齢の人なら）。

高岡早紀って、個人的にアイドルポップ分野では一番ハマった人といっても過言ではないです。　ただし、歌手以外の活動にはまったく興味がありませんが。　オリジナルアルバムを 4 作リリースしていて、加藤和彦が多くの楽曲を手がけていました(他には高橋幸宏、千住明、清水信之、桜井鉄太郎、作詞は森雪之丞、安井かずみとか）。　特に 3rd までの、幻想的かつ耽美的な、作り込まれた世界観がよかったですね。　歌手としての主張がないというか、歌わされている感バリバリながら、制作陣の技とコダワリでハイクオリティかつブレのない作品群に仕上げています。　ぶっちゃけ、歌唱力自体は真野ちゃんと大差ないレベルなんだけど、詞に合わせた適度にエロティックな歌い方が凝ったバックトラックに溶け込んで、個性的なサウンドを構築する上で欠かせない要素になっています。
方法論としてアイドルポップはかくあるべき、とまではさすがに言えないとしても、数あるベクトルのひとつとしては定番でしょうか。　ちなみに、高岡早紀の各作品、商業的には成功したとは言えないので、同じようなことをやろうと思ったら、このあたりに関する思い切りのよさと余力が必要ですね。　見方を変えると、プロの仕事としてはあらゆる意味で贅沢すぎる、もしくは相応しくないということになりますか。　真野ちゃんも、これくらい潔ければさらに面白くなるような気はしますが…