スマホ充電用のmicroUSBケーブル Part.1

Nexus5のようなバッテリーの持ちが悪いデバイスにとって、充電に使用するUSBケーブルは重要なアクセサリーのひとつなんだけど、様々な種類の製品が出ていて選ぶのも一苦労です。 ふと気がつくと手元に何種類かのケーブルがあったりするので何となく比べてみましたー、というのがこのエントリーの主旨です。

充電専用ケーブルとは

USB(USB1.0/USB2.0)のケーブルは4本の線で構成されていて、電源(VBUS)1本、グランド(GND)1本、データ(D+/D-)2本という内訳になっています。 店頭に並ぶすべての製品がそうなのかは不明ですが、ここで取り上げているエレコム製品について「充電専用」を謳うケーブルは、データ端子がmicroUSBコネクタ側でショートされていて、ケーブルそのものは2芯(VBUS/GND)しかありません。 USBって通信のための規格なのに肝心のデータ端子が繋がっていないとは、コネクタ形状だけ準拠のなんちゃってケーブルということになりますか。
当たり前ながらスマホのmicroUSB端子は本来のデータ通信用インターフェースとしても機能するため、ケーブルを繋ぐと何がしかの手続きに基づいて相手と通信しようと試みます。 俺は単に充電したいだけなんだ余計なことするんじゃねえ!という人にとっては時間の無駄だし、ましてやパソコンに繋いで勝手にアプリが立ち上がったりするのは、もはや嫌がらせでしかありません。
そこで「充電専用」ケーブルの登場です。 データ端子をショートしたケーブルを挿すと、スマホは繋がったのが話が出来る相手ではないことを瞬時に理解して、充電のみにいそしむという寸法です。 ものすごく乱暴にまとめるとw ただし、世の中にはそうではない端末もあるし、実態はなかなかややこしいことになっているようです。

比べてみた製品

今回比べてみた製品はこちら。 長さは80cm〜120cmです。 (A) エレコム MPA-AMBC2A(充電専用2A対応)、(B) エレコム MPA-AMBCL2A(ノーマルタイプ2A対応)、(C) エレコム MPA-AMBC(充電専用)、(D) メーカー不詳 極細ケーブル(ノーマルタイプ)、(E) 0.5sq/AV線自作ケーブル(充電専用) 自作ケーブルは手元にあった0.5sqのAV線(自動車用低圧電線)と千石電商で購入したコネクタで作りました。 "sq(スクエア=平方)"はケーブルの太さを表す単位で平方ミリメートルのことです。 ちなみに(A)エレコムの使用線はAWG18で約0.82sqです。

テスト結果

テストは、2A出力可能なACアダプター(エレコム T-US01-12200シリーズ)とNexus5を自作延長コネクタ(VBUS/GNDを0.75sq撚り線で接続)を介して繋ぎ、VBUSのラインを分割して直列にエントリーモデルのテスター(マザーツール MT-4510)を入れ、DC10Aレンジでメーター表示をしばらく見ている、という安直にもほどがある方法でおこなっています。 ACアダプターはスマホ向け設計でデータ端子がショートされていて、ノーマルタイプのケーブルを繋いでも充電専用ケーブルと同等になります。 そして結果はこんな感じ。 

No. 製品型番 電流値(mA)
A エレコム MPA-AMBC2A(充電専用2A対応) 1100
B エレコム MPA-AMBCL2A(ノーマルタイプ2A対応) 1100
C エレコム MPA-AMBC(充電専用) 710
D メーカー不詳 極細ケーブル(ノーマルタイプ) 440
E 0.5sq/AV線自作ケーブル(充電専用) 1100

電流が多く流れている時はNexus5が謎の制御をしていて100mA程度の範囲で電流値が変動しているので、数字はピーク時のものです。 Nexus5の代わりにモバイルバッテリーを充電すると2A対応製品と自作ケーブルでは1600mA程度の数字が出ることから、1100mAはACアダプターの限界ではなく、Nexus5の謎制御ゆえでしょう。 結果だけ見ると2A対応は伊達ではない、ということになりますか。 

どれを選ぶか

とにかく急いで充電したい向きには2A対応製品が魅力的なんだけど、最大の難点がケーブルの太さからくる柔軟性の無さでしょう。 大電流を流すためにはしょうがないとはいえ、取り回しに難があるほど固いので、例えばモバイルバッテリーとスマホを繋いだままカバンに放り込んで充電しつつスマホを使う、というような用途にはまったく向かないです。 ヘタをするとケーブルならまだしも、スマホのコネクタ破損に繋がりかねません。 既製品のケーブルの固さに嫌気がさしたのが自作ケーブルを作る動機になっているほどです。 さらに、急速充電はバッテリーに優しくないという面も無視できないので、自宅や会社に常備しておいて、ここぞという時だけ使うのが無難ではないかと思います。 カバンに放り込むにしても、とにかく充電に専念するとか。
自作ケーブルについては、取り回しに関しては問題ないものの、信頼性にやや難アリかな。 ちなみに今回用いたAV線は芯線(撚り線)の構成本数が少なくしなやかさに欠けるので、作るならKV線のような、しなやかな電線を選ぶと良いと思います。
そんな中、Nexus5用としてモバイルでガンガン使うなら、(C)エレコム MPA-AMBC(充電専用)がオススメです。 そこそこの電流値が出ているし、ケーブルの取り回しやmicroUSBコネクタの抜き挿しに関しても特に問題はありません。 あえて難点をあげるとすれば、カラーバリエーションが少ない(黒/白/ピンク)ところかな。 カラーバリエーションに関しては、(B)エレコムのようなノーマルタイプの方が充実しています。 どうしても気になる色がある!という人は、アダプタを介して充電専用ケーブル化するという手もありますが、そこらへんはPart.2に続け(予定ではw)。