松浦亜弥 Special Live 2010 at STB139(2010.2.14 20:30) その2

遅まきながら当日のエントリー(id:anomala:20100214#p1)の続きです。 セットリストについて事前に知りたくないという人はそこそこいると思いますが、今回は公演ごとに違うセットリスト、つまりライブが終わらないとセットリストがわからない状態なわけで、ネタバレに関して一切気にせずにせずに GO!
ごっちんの花
写真はエントランスに飾ってあったごっちんからの花です。 あややの現場ではお馴染みの光景でしょうか。
あややDECOチョコ
ついでに当日配られていたあややチロルチョコ(DECOチョコ)。 バレンタインデーならではだけど、この日手にしたチョコはこれのみという人も何人かいるのかな?(大きなお世話ですがw)。

本編

ほぼ定刻に客席のライトが落ちてライブスタートです。 いつもどおり、まずはバンドメンバーがスタンバイしてから、おもむろにあややが登場、そのまま 1 曲目へという流れ。 ちなみにバンドメンバーのポジションは、下手側に櫻井さん、ほぼセンター奥に福長さん、上手側に菊池さんと Chino さんです。 あと、福長さんの前あたりに、あややが座るストゥールが置いてありました。
あやや用の譜面台がやや下手側に置いてある関係で、歌う時には少し下手側を向いていることが多かったです(特に座っている時)。 なので、正面から表情を見たい人は、下手側の席がいいかもしれませんね。 あんまり前の方だと譜面台に被る恐れもありますが。 整理番号が後ろの方なら、別の理由で下手側後方(もしくは 2 階席)に陣取るという手も悪くはないかな。 自慢の亜弥(ry


□セットリスト
MC については華麗にスルーして(長すぎてまとめる気力がありませんw)、曲についてあれこれと。


M1. beautiful day
去年の秋ツアーの、アコースティックコーナーで披露されたバージョンとほぼ同じアレンジでした。 菊池さんのギターとか、そのままだったような気がします。 まったく違うアレンジで聴いてみたい気はするものの、なにせ "フリーダム" ですからねえ。 バンドの皆さんは膨大な曲数に対応するだけでも大変そうなので、次回に期待したいところ…といいつつ、さらにフリーダム度がパワーアップするような気がしないでもなかったりw
あややの歌声は 2 公演目というのもあってか、1 曲目からバッチリでしたね。 とりあえず調子がよさそうでなによりです。 喉を気にしている時は、レモンとはちみつで作るというスペシャルドリンクを用意している事が多いですが、本公演では普通の水だけでした。
この曲は、ミディアムテンポの AOR(死語?)ライクなテイストも相まって、アコースティックアレンジがすごくフィットするように思います。 菊池さんのギターが、割と艶っぽいサウンドだったのもよかったですね。 Chino さんのコーラスも実に効果的だったし、どっぷりと浸ることができました。


M2. 私と私と私
かなりレアな選曲だし、シンプルなアレンジかつテンポがオリジナルより遅かったので、一瞬曲がわからなかったりして。 ライブで歌うのは 2004 年春(松浦亜弥コンサートツアー2004春 〜私と私とあなた〜)のパシフィコ横浜公演以来かな? ツアータイトルにからんでいるのに DVD には収録されていない、幻の曲ですね。
昔の曲を今のあややが歌うと、曲によっては歌い方の違い(イメージの変化)からくる違和感というか、ギャップのこそばゆさが強めになるケースもありますが、この曲はそういう感じは希薄だったように思います。 ただし、歌詞の描く世界がリリース当時の年齢(17歳)に合わせた内容なので、例えば "今すぐに大人だと認めさせたい" のところで十分大人ですやんと突っ込みたくなる、みたいなのはありますがw
オリジナルと比較してどちらがどうのではなく、古めの曲を歌うという行為自体にギャップを楽しんでくださいねーという狙いはあるでしょうね。 本人自らが解釈の違いを提示してくれるなんてのは、歌手として継続した活動をしていればこそ。 あややありがとうと言いたくなる、そんなパフォーマンスでした。


M3. チョコレート魂
M3、M4、M5 はお客さんからのリクエストです。 この曲は横浜から来ていた女性のリクエストでしたが、実は最初のリクエストは「Fallin'」でした。

  • 松「Fallin'?(後ろを振り返って)出来るよね?」
  • 菊「さっきやったけど」
  • 松「そういうこと言うのやめてよ。わたしはあえて言わなかったのに」
  • 菊「あなた、一回やったのはやりたくないって(客席爆笑)」
  • 松「シー!」
  • 松「ばれちゃしょうがない。一回やったら十分だと思ってるの」

みたいなやりとりがありましたw さすがに長く一緒にやっているだけはあるなーと思わせる、ナイスな突っ込みの菊池さん。 で、第二希望がこれだったと。
当然ながら、歌いたくないとごねるあやや。 「先程お昼に男性限定でやりまして(中略)いやいや歌いました」と言っていましたね。 リクエストした女性が是非にと譲らないので、あきらめて歌うことになったんですが、拗ねたように曲名を言う姿がキャワワでした。 あと「前もって言っておきます。来年わたしは10周年を迎えさせていただきまして、そうなりますとベストアルバムなんかも出すでしょう。そうなった場合、絶対この子は入れないと思います」なんて発言もあったりとか、相当イヤみたいですが、なんだかんだ言いながら結局は歌ってしまうのはいつもどおりですw
アレンジは去年の秋ツアー、札幌公演(千秋楽)のアコースティックコーナー*1で披露されたのと同じくボサノババージョンでした。 どちらかというと軽やかなメロディラインの楽曲なので、ボサノバとの親和性は高いですね。 バックに合わせて歌い方がソフトタッチになることで、詞で描かれている女の子のイメージがオリジナルバージョンとは違う風に感じられたりするのもおもしろかったです。 当たり前のことですが、アレンジって大事だなーと再認識しました。
そんな中、若干気になったのは客席の手拍子でしょうか。 あややが右手で軽くリズムをとる姿につられてしまうのはしょうがないとしても、ボサノバのようなシンコペーションの効いたリズムに、キレがいいとは言い難い手拍子はイマイチ合わないんじゃないかなーと思ったり思わなかったり


M4. 笑顔
一番時間をかけて来ている人?という問いかけで指名された、岡山からクルマで 12 時間かけて来たという男性からのリクエストです。 この曲、なにげにお客さんのリクエストでよく出てくるような気がしますね。 曲名が出た瞬間、あやや「ハードルが高いの来た。(バンドメンバーに)ワンハーフでお願いします」→客席「えー」→あやや「…なにか?」みたいなやりとりも。 
アレンジは櫻井さんのピアノをメインにした、いつもどおりの路線で。 自らハードルが高いというだけはあって調子の良し悪しが出やすい楽曲ですが、伸びやかな高音がとても心地よかったです。 楽曲自体はメッセージ性の強い歌詞なので好き嫌いが別れると思うけれど、純粋にテクニカルな意味であややって歌上手いなーと感じさせてくれるところがよいです。 
歌い終わった後に、谷村有美さんの仮歌は全部ファルセットだった、わたしもそうなのかな?と思ったら違った、ずるいと言っていました。 力強さを求めて地声になったのだとか。 ファルセットでさわりを歌っていましたが、確かにファルセットでは優しすぎる感じですね。


M5. 私のすごい方法
二階席にいた女性からのリクエストです。 あやや「スタンバーイ。え…知らないの?譜面あるんでしょ?」と櫻井さんに言っていたのに、「わたし歌詞ある?ない?ダメダメ!」とかw リクエストの順番としては一番最初だったんですが、歌詞カードの準備のため後回しになっていました。 この曲は去年のスペシャルライブ、秋ツアーのアコースティックコーナー、一昨年のマニアックライブ、2006 年秋ツアーでも歌われていて、古めのナンバー(シングル曲を除く)の中では披露される機会が多いですね。
アレンジは、菊池さんのギターをメインにしたシンプルなもの。 イントロの印象的なハーモニックスとか、歌のバッキング部分とか、過去に披露されたバージョンと同じでしたが、A メロの繰り返しの間に入るオブリを 1 番で入れていなかったのはなぜだろう? 単純に忘れたのかな。
あややの歌は、張りのある歌声でバッチリでしたが、間奏のギターソロで珍しく菊池さんがミスっていましたねー。 単純なポジションミスっぽかったけれど、思わず「あ゛ー」と唸る菊池さんに沸く客席w ふと、同じようなミスをして "Sorry!" とキャプションが入る、Eric Clapton のライブ映像を思い出しました。 この件に関して福長さんがブログに書いていますが、確かに珍しいシーンだと思います。 歌い終わった後に、あやや「櫻井さん、お疲れ。ありがとう。菊ちゃんは…リハーサルの時に言ったよね? 間違えたら 50 円」だそうでw


M6. ソウルメイト
会場に来ていた福長さんの奥さん(美人)からのリクエスト…なのかな? 福長さんが、ツアーのビンゴ大会であややの全曲入り iPod を当てたんだけど嫁が奪って「ソウルメイト」とか歌ってる、というエピソードを披露したら、「じゃ、ソウルメイト歌えばいいよね」と先走るあやや。 その後、あらためてリクエストを聞いたら、やっぱり「ソウルメイト」でした、という流れだったので。
アコースティックアレンジは基本的にシンプルなものが多いですが、この曲はけっこう作り込んでいて密なサウンドでしたねえ。 リズムのキメなんかも格好良かったし、あやや+バンドのアンサンブルとして、ベストパフォーマンス賞はこの曲で決まり!という感じでしょうか。 息のあった演奏はもちろんのこと、実に気持ち良さそうに歌うあややの歌声が空間を満たして、M1 同様にどっぷりと浸ることができました。 今回のようにオールタイムな選曲からなるセットリストだと、やはり最近の楽曲の方がしっくりきますね。
唯一気になったのは、手拍子をしているお客さんがちらほらいたところかな。 M3 よりは少なかったですが。 こういったリズムのキメが複雑な楽曲では手拍子はやらない方がいいというか、どうしてもノリがスポイルされてしまうので考えものです。


M7. 純愛ラプソディ竹内まりや
同じく竹内まりやさんの「マンハッタン・キス」とこの曲のどちらがいいか客席に聞いてこちらに。 竹内まりやソングミュージカル「本気でオンリーユー」のお話が決まったときに、真っ先に歌いたいと思ったのがこの曲だそうで、マルシアさんに取られてガッカリしたと語っていました。
この曲はお台場のフジテレビ冒険王会場で開催されたフォークジャンボリー2008で歌ったことがありますが、環境(会場)がまったく違うので単純に比較するのは無理があるのを承知の上で書くと、個人的にはこちらのパフォーマンスの方がより染みました。 まあ、ライブに特化した小さな箱がプラスに作用するタイプの楽曲(なんだかよくわかりませんがw)というのもありますね。 ちなみにアレンジの方向性は両方ともオリジナル尊重路線です。
ソングミュージカルを引き合いに出すまでもなく、あやや竹内まりやさんの楽曲の相性の良さは特筆すべきものがあるような気がします。 あややと竹内さんじゃ声質はかなり違いますが、楽曲の持ち味をきちんと表現した上で、あややらしさも十二分に発揮できているのは、相性の良さがあるからこそでしょう。 セットリストにカバー曲を入れる時、"曲が好きだから" という理由で選曲することが多いけれど、楽曲のテイストを上手く表現(広げて表現)できるかどうかは、歌のスキル以上に相性がとても大事だと思います。 "らしさ" はともかく。 


もう少しつづく。

*1:いつの間にか二階席に移動して、お客さんに混ざってアピールしまくる YOSHIKO 先生のリクエス