安倍なつみ Summer Live Tour 2009 〜やっぱりスニーカーが好き!〜 横浜関内ホール(2009.6.7 15:00/18:30)

本日は初夏らしい日差しの中、こちらの現場へお出かけでございます。 この会場は前回のツアーでも使っていますが、昨日の東松山に比べると立地環境はバツグンですね。 ウチからは東松山の方がずっと近いんだけど、非日常感もライブ観覧のスパイスと捉えれば、隣町みたいな場所よりはアーバンなかほり漂う横浜の方が好ましく感じられますw
横浜関内ホール

本編

まだツアーは始まったばかりですが、演出の細かいところを色々と弄っていましたね。 例えば、とある楽曲で、なっちがステージ最前(客席フロアとステージの間)にセットされた階段に腰掛けて歌ったりとか。 今回のライブは構成がオーソドックスでシンプルゆえ、見せたい(聴かせたい)ものがはっきりしていてわかりやすいという美点がある反面、捉え方によっては素っ気ないとも言えるわけで、そこら辺を演出でカバーする作戦は悪くない気がします。 もっとも、座る演出はやってみてイマイチという評価だったのか、昼公演だけでボツになりましたがw


□雑感
ここまで4公演を観てきましたが、内容以外で気になるポイントは公演時間かな? どの公演も綺麗に100分にまとめられていて、明らかな意志が感じられます。 なっちのライブは、どちらかというとフォーマットを大事にする傾向がありますが、監督さんがそういうポリシーなんでしょうね。 良い悪いじゃなくて好みの問題なんだけど、その場のノリであとは野となれ山となれみたいな、自由奔放に振る舞える余地が大きい方が個人的には好きです。


かつてのカラオケ時代のガチガチさに比べれば自由な空気を感じさせるようになってきているものの、まだまだ枠の固さを感じさせますね。 それが端的に出ていたのが、夜公演のアンコール MC かな。 なっちがいつまででも話したくなるみたいな事を言って客席から歓声があがると、即座にダメダメと返して話をまとめていました。 なにせアンコール部分ゆえ、ここで長く話をするとそのままトータルの時間が長くなってしまいます。
決められた時間内で上手くまとめてこそプロとも言えますが、"ライブ" ですからね。 なっちの気分次第で、長くなったり、逆に短くなったりと、ブレが生じる方が自然だと思うんですが。 10分やそこら公演時間が長くなったとしても大勢に影響はないだろうし。 まあ、上にも書いたとおり制作サイドの考え方次第だし、オーディエンスの嗜好も様々なので、単にワタシの好みの話ではありますが。


□アレンジ
バンマスの和田さんが、自身のブログで今回のアレンジについて書かれています。 これを読んでわかるのが、バンドメンバーが三人なのは、必然性からではないということ。 予算の都合なのか、スケジュールの都合なのかは不明ですが。 そして、リズムトラック同期の多用については、要はお客さんを飽きさせないようにと考えてのことらしい。 ここはなっち本人に意向が反映されているそうです。 


和田さんの意図するところは十分理解できますが、話が逆じゃないかと。 真にアコースティックな、室内楽的なサウンドを目指して三人になったのではなく、三人だけでどうにかしようとしていること自体に引っかかると。 アレンジの都合上リズムセクションが欲しいんだけど、いないから同期データを使う、という点に。 たらればながら、Asami ちゃんなり濱田さんなりが参加できていたなら、リズムトラック同期はやらなかったでしょう。
なっちのバンドの特徴は、心地よいルーズさです。 ベテランならではの阿吽の呼吸で、得も言われぬ生々しさを感じさせてくれるところがたまりません。 同期データ使用、特にリズムトラックを同期させる演奏では、どうしてもタイトな方向にならざるをえないので、"ゆるさ" が影をひそめてしまいます。 もっとも、見方を変えれば、らしくない=新しさ、ということなので、飽きさせないという観点では悪くはないかもしれませんが。


アレンジの話とはずれますが、"飽きさせない" ための強力な武器が欠けているのも不満に繋がっているような気がしますね。 セットリストに新曲(ライブで披露されたことがない曲も含む)があれば、だいぶ評価が変わったと思います。 良く言えば原点回帰、悪く言えば持ち駒不足のセットリストなだけに、料理する方もいろいろと大変そうではあります。



まあ、現実的に考えれば、いつでも必要なリソース(予算、ミュージシャン、楽曲、その他諸々)が使えるとは限らないので、時には規模縮小もやむなしですか。 そもそも和田さん自身がオファーされる側なので、こんなところに文句を言われたら心外でしょうねw 事務所の現体制だとか、なっち自身の置かれている立場だとか、根っこの部分にいろいろと事情があったとしても有効な打開策はないので、ファンなら現状に甘んじつつも内に秘めた情熱でただ応援すべし!かな。