Timeless / John Abercrombie

Timeless

Timeless

最近、ちょい昔のジャズ系ギタリスト作品がマイブームでいろいろと聴きまくっていますが、これなんか時代を感じさせるという意味では最高ですね。 John の初リーダー作品で 1975 年リリースです。 パーソネルは John Abercrombie(g)、Jan Hammer(Organ,Synth,p)、Jack DeJohnette(ds)というメンツ。


John の微妙にディストーションのかかったギターと Jan のオルガンがユニゾンでテーマを奏でる導入部から、いきなりインタープレイの応酬に突っ込んでいく 1 曲目「Lungs」とか、モロに 70年代!というテイストで痺れますね。 安直にいえば、トリオ版初期 Mahavishnu Orchestra といったところでしょうか。 John のフレージングに、そこはかとなく John McLaughlin の影響が感じられるのも、そういう印象を受ける要因のひとつになっていると思います。 ピアノとアコースティックギターの響きがリリカルで美しい 2 曲目「Love Song」と 5 曲目「Remembering」も、どことなく Mahavishnu Orchestra の傑作「Birds of Fire」収録の「Thousand Island Park」あたりに通じるものがありますね。


John のリーダー作品としては異色のサウンドだし、全体的にはやや散漫な印象がなきにしもあらずですが、記念碑的な意味で捉えれば無視できないアルバムだと思います。 唯一残念なのは、バックで叩きまくっている Jack のドラムが、ミキシングの関係でレベルが低いというか奥まって定位しているように聴こえるので、細部が聴き取りづらいところでしょうか(ウチの CD は 2000 年あたりの再発盤です)。 まあ、こういうのも時代を感じさせるポイントのひとつなので、一概に悪いとは言えないのかもしれませんが。 初期の Mahavishnu Orchestra が好きな人にはオススメの一枚です。