シンデレラ the ミュージカル 新宿コマ劇場(2008.8.25 11:00/16:00)

全公演、無事終了! 個人的には「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」のようにハマりはしませんでしたが、それでもおよそ三週間に渡って開催された公演が終わってしまうと、一種独特の寂しさを感じてしまいますね。 週末がメインのコンサートツアーとは違って期間中はほぼ毎日上演されているので、その気になればいつでも観れるという安心感というか満ち足りた気分が味わえますが、逆に終わってしまった後の寂しさもまたコンサートツアー以上に強いような気がします。 コマ劇場に足繁く通った人は、明日あたりもぬけの殻状態になっていそうですね、マジで。 とりあえず、皆さまお疲れさまでした。 

本編

さすがに最終日だけはあってアドリブが凄かったですね〜。 どこまで裏で打ち合わせをしているのかが不明だし、アドリブというよりはお遊びとでも表現した方がピッタリなのかもしれませんが。 明らかにお客さんを笑わせようとしているので、やりすぎると全体がグダグダになる危険性もありますが、要所では形を崩さない主役の人達の演技と、随所に挿入される歌やダンスのシーンでビシッと締まって、劇そのものはちゃんと進行していくところはさすがだなと。 ただ一点、愛ちゃんの歌のバックで暴走ぎみな愛華みれさんの演技に、歌声と客席の笑いがかぶったところがあって、そこは若干気になりました。 ということで、以下適当に感想でも。


道重さゆみ
はっきり言ってしまえば脇役でこれといった見せ場もありませんが、だからといって存在感が無くなるわけではないところがミソですね。 一番象徴的だなと思ったのが、第一幕の最後らへん、舞踏会のシーン。 シンデレラ(愛ちゃん)と王子様(ガキさん)のデュエットが終わったあとに、宝塚メンバー(ペア)→小春(男装)+さゆ+光井ちゃん→宝塚メンバー(男装のみ)という流れでダンスを披露する部分です。 素人のワタシの目から見ても、宝塚流の優雅でかつキレのあるダンスと娘。三人のダンスのスキルの差は歴然としていて、純粋にパフォーマンスとして見たら宝塚メンバーの方に軍配が上がるのは当然でしょう。 アンサンブルの人達とはいえ、なにせこの手の舞台に特化した訓練を受けてきたプロ集団なわけですから。


舞台に精通した人が見たら素人芸なのかもしれませんが、今回の舞台はあくまで "モーニング娘。×タカラヅカ"。 素人だろうがなんだろうが、舞台に上がったらそれなりのモノを見せてくれないと失格!という見方も当然あると思いますが、もし演出も含めてそういった方向性だったら、娘。メンバーが全員参加する形はとらなかった(とれなかった)と思います。 アイドル歌手グループとのコラボというのを宝塚側から見れば、宝塚だけでは表現できない事をやるためなのは自明でしょう(大人の事情があるのかもしれませんがw)。 要するに、宝塚は宝塚らしく、娘。は娘。らしく、ということですね。 舞台そのものは宝塚流ではあるものの、今回の場合は迎合する必要はないし、必然性もないかなと。


宝塚が舞台のプロなら娘。はアイドルのプロ。 愛ちゃんはじめ、歌やダンスのスキルが認められて主役級の役を与えられたメンバーは正攻法のアプローチで臨めばいいし、そうではないメンバーも自分の持ち味を発揮すれば舞台は成立するわけで。 上にあげたシーンでのさゆ(光井ちゃんも)の、滲み出る可愛らしさと女の子女の子した雰囲気は見事でしたね。 キレがあるとか優雅とかスマートとか、ダンスシーンの誉め言葉になりそうな単語とは対極にあると言っても過言ではないですが、その存在感は伊達に娘。メンバーをやっているわけではない事を十二分に示していたように思います。
他のシーン、例えば群衆にまざって白いドレスで娘役をやっている時なんかでも、ひとつひとつの挙動がこれぞアイドル!というオーラを出していて、可愛らしいのなんの。 冷静に見れば、普段のさゆそのままとも言えるし "演技" としては失格なのかもしれませんが、求められている事をちゃんとやっているなと思いました。 最終日の舞台でもピンクのドレス姿でこけていましたが、そういう少しドジなところもまた持ち味のひとつなので、ハプニングとはいえ、ことさらネガティブな印象はなかったように思います。 すごいヲタ視点ではありますがw


明日以降につづけ!