New England / Wishbone Ash

ニュー・イングランド (紙ジャケット仕様)

ニュー・イングランド (紙ジャケット仕様)

思い出したようにしつこく続く Wishbone Ash ネタw 大幅な路線変更がファンの間では不評だった「Locked In」(id:anomala:20070517#p2)に続いて、1976年にリリースされた 7th アルバム(ライブ盤除く)です。 まず、このアルバムですが、オーディオ的な意味合いでサウンドに特徴があって、雰囲気的にダークな感じ。 ヌケが悪くて眠たいと言えなくもないですが、収録曲のカラーにマッチしているし、その独特の陰影を強調しているような気もするんで、そういう狙いなんでしょう。


さすがに前作からは趣向を変えて、彼ら本来の魅力でもあるメロディアスなギター・サウンドを軸にした音作りになっています(ふと思いましたけど、"メロディアス"って表現するとなんとなくメタル臭いかなw)。 安直に言って、イギリスっぽさが帰ってきた感じ。 特に、得意のプログレッシヴな味わいのインストゥルメンタルナンバー「Outward Bound」とか、「Throw Down The Sword」のバージョン違いみたいな「Prelude」あたりで顕著です。
もっとも、完全に原点回帰という訳でもなく、例えば「When You Know Love」という曲。 これなんか、ギターのハーモニーも含め曲全体は紛れもない Wishbone Ash サウンドなのに、イントロだけ聴くともろにサザンロックですw 他にも、そこかしこになんとなくアメリカンなにほいを漂わせる楽曲もあるにはありますが、鼻につくほどではないですね。 トータルで見て、なかなかの佳曲揃いだし、アルバム全体のカラーも破綻なくまとまっているし、悪くないと思います。


余談ながら、アルバム最後を飾るリリカルなインストゥルメンタルナンバー「Candle-Light」は、いつ聴いても Camel の「Rhayader Alone」(「The Snow Goose」収録)を思い出させますw