モーニング娘。 コンサートツアー2007春 〜SEXY8ビート〜 甲府公演 その2

メンバー別のカラフルなツアーTを着たヲタどもで埋まった客席というのは、最近の娘。コンらしい風景ではあるけれど、これってソロ9人が集まって開催する合同コンサートの客席のように見えなくもないですよね。 もちろん、推しメン至上主義な人達ばかりではないでしょうが、実際に客席にいて感じる空気はもろに合同コン=ハロコンのそれに近かったような気がします。 ワタシ自身は娘。に関してはライトファンみたいなスタンスなんで、どういう構成で出てこようが間違いなく娘。なわけで、メンバーごとに興味の度合いは違うものの娘。の枠からはみ出した何かを感じることはありません。


つうことで、ここからネタバレ含みます。


昨年の秋コンもそうでしたが、ソロを含む少人数で歌う楽曲を多めに取り入れた構成にすると、進行にメリハリが出るかわりに、推しメンが出る・出ないことによるヲタ側のテンションの変化が気になります。 今回のセットリストでは、吉澤・亀井・道重・光井の4人構成になる「出来る女」からミキティソロの「幼なじみ」のあたりですね。 「シャニムニ パラダイス」みたいなノリの良い楽曲はまだいいんですが、愛ちゃんソロとかミキティソロみたいな、静かめな楽曲になると、(悪く言えば)ヒマを持てあました"他メン"ヲタのせいで雑然とした空気になってしまいます。 座って休憩してたりするのはまだ良心的な方で、ヲタ同士で雑談しはじめたり、酷い奴になると席を離れて仲間のところに移動したりとか。 これってハロコン独特の雑然とした客席の雰囲気そのものなんですよね。 当たり前ですけど、一部のヲタにとっては、自分が興味のないメンバーが出ている時間帯があるという意味ではハロコンと何も変わりません。


で、この雑然とした空気の客席の中で、さらに最悪なのが、楽曲のテイストを無視してコールしまくるヲタ。 ああいう輩は自分らがパフォーマンスをぶち壊してるという意識はないんでしょうね。 ミキティの「幼なじみ」の曲中でコールですよ? 去年のクリスマス・ディナーショーでのパフォーマンスが素晴らしかったので、今回最も期待していた楽曲のひとつだったのに激萎えもいいところです。 客席の空気だけでいい加減うんざりしてるところに、この仕打ちで、思わず天を仰いでしまいました。


娘。ヲタには、静かな曲は静かに聴くという文化そのものが無いのでは?という疑念が浮かびます。 グループのメンバーを推しているヲタって、ライバルである他メンヲタに遠慮して埋没してしまっていては意味がないので、ついつい応援(コール)にも熱が入ってしまうというのは理解できます。 その勢いでソロで登場しても普段の癖が出てしまうとか、もしくはここがチャンスとばかりにはりきっちゃうとか? もちろん、ヲタ全部がこんな風だとは思ってませんが、実際には少なくない数のヲタがコールしてましたね。


吉澤さんの MC とか、すごく静かに聴いている場面もあったんで、その延長で楽曲そのものにも敬意を持って接して欲しいです。 "オレは歌を聴きにきてるんじゃなくて応援しにきてる"というスタンスのヲタもいるかもしれませんが、会場にはいろんな人が来ています。 盛り上がるべきところは盛大に盛り上げ、聴くべき所は静かに聴いた方が、出演者にとっても嬉しいはず、と思うのは、ワタシが単純に歌が聴きたいだけで会場に足を運んでるせいかもしれないですね。


推しメン至上主義の是非は置いておいても、少なくともコンサート会場では、その悪い面ばかりが気になります。 自分が興味のないメンバーが出ている時間帯だとしても、まぎれもなく娘。メンバーなわけですよ? まあ、ハロコンで興味のないメンバーが出ているのと、娘。コンで興味のないメンバーが出ているのとでは本質的な差はない、と言われてしまうと、その通りなんですけどね。 "モーニング娘。"という箱に対して、ある種の特別な感情を抱いている方が時代遅れなのかもしれません。