ローソンエンターメディアが資金を不正流用

ローチケを運営しているローソンの子会社、ローソンエンターメディア（以下、LEM）の代表取締役専務と経理担当取締役が資金を不正流用していたというニュースですが、ことの次第を読む限りでは、いかにもという印象ですかねえ。　プレスリリースの pdf から乱暴にまとめると、こんな感じです。

コンサート企画会社からチケット販売を受託するために、LEM がコンサート企画会社に協賛金を支払うケースがある。　そこで両者の間に第三者のプレジール社（以下、P 社）を挟み、P 社を通してコンサート企画会社との決済を行う形にして、LEM の協賛金負担を軽くしようとした。
チケットを販売してから、実際にコンサート企画会社へチケット代金を支払うのには長期間のタイムラグがある。　結果として P 社にチケット売上金が滞留、P 社はこれを流用していた。
ところが流用が行き詰まって資金繰りがショートし、コンサート企画会社への支払が遅延するようになったため、クレームが LEM の専務へ来るようになる。
専務は取締役に相談して、P 社の資金流用を知りながら、正式な決済無しに P 社に肩代わりして直接コンサート企画会社へ支払った。　さらに、チケット販売前のコンサート企画のチケット代を P 社へ前払いもしていた。

興行チケットの販売というのは、売上代金がチケット販売業者へ入る時期が、実際に興行が開催される時期よりかなり前なので、どこかにお金が留まっているんだろなーとは想像していましたが、やっぱり留まっていたんですね。　今すぐ支払う必要のない多額のキャッシュが手元にあれば、上手いこと流用して甘い汁を…と考える人は当然いるでしょう。　ところが、そう上手くは行かなかったと。
そもそも P 社を通す仕組みは LEM の No.2 である専務が持ち込んだものだそうですが、P 社と専務の関係までは触れていないですね。　さらには、P 社がこの仕組みでどうやって利益を上げていたのかもよくわかりません。　プレスリリースは少々説明不足な感が否めないかな。

ハロプロだと、チケットの相当数をファンクラブで売り上げている上に、コンサート企画会社も内輪みたいなものなので、その気になれば流用し放題ですが実際のところはどうなんでしょうねw　運用すること自体の是非はともかく、キャッシュを寝かせておくのは勿体ないし、手堅くやれば問題が起きてバレる可能性は低そうだし、はてさて？

Yahoo! ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100209-00000568-san-bus_all
株式会社ローソンエンターメディア取締役による不正行為の発覚について（pdf）
http://lawsonentermedia-ir.com/html/pdf/prs20100209a.pdf