Two Doors / Michael Shrieve

Two Doors

Two Doors

1枚のアルバムですが、1曲目〜8曲目が「Deep Umbra」というタイトルで Shawn Lane(g)Jonas Hellborg(b) とのトリオ、9曲目〜19曲目が「Flying Polly」というタイトルで Bill Frisell(g)Wayne Horvitz(organ) とのトリオで収録されています。 前者が1995年、後者が1993年の録音。 妙に短くて中途半端な感じの曲も収録されているので、アウトテイク集かな? 一応、Michael 名義なんだけど、実質的にはそれぞれのギタリストのリーダー作品みたいな内容です。


Shawn の方は盟友 Jonas との一連の作品同様、圧倒的なテクニックとセンスを惜しみなく披露していて、ほぼやりたい放題に近いですね。 ちゃんと例のスキャットもあるしw それにしても、Shawn のプレイを聴く度に思いますが、流れるようなラインで延々と速弾きしているのに(しかも信じられないくらい均質なタッチで)、ネタが尽きないのは才能以外の何物でもないような気がします。 速さだけならテクニカル系ギタリストの中には同じくらいのレベルの人もいるけど、プレイを聴いて魅力的に感じるかどうかは別の次元の話ですからね。 極端な話、鬼のような速さでスケール上下だけなんてのは、音楽というよりは一種のスポーツに近いと思います。 惚れ惚れするような Shawn のソロを聴きながら、惜しい人を亡くしたなあと、つくづく感じ入った次第であります。


一方、Bill と Wayne とのトリオの方は、同時期に録音された「Fascination」というタイトルのアルバムが Michael 名義でリリースされていて、そちらはいかにも Bill だ〜という浮遊感漂う音空間満載なんですが、本作はかなり趣きが異なりますね。 数十秒〜2分くらいの妙に短いトラックがたくさんあるので、ノリとしては普通の未発表音源集です。 ただ、この断片みたいなトラックがけっこう面白くて、ディストーションが効いたサウンドでアグレッシヴかつ普通にロックしていたりとか。 上に書いたアルバムのアウトトラックと思えるナンバーも収録されているので、全体的な統一感はゼロ。 そんなところもレア音源集っぽく感じさせます。 熱心なファンならマスト、そうでもない人にはそうでもない、そんな内容ですね。