松浦亜弥 コンサートツアー 2008春 〜AYA The Witch〜

松浦亜弥コンサートツアー2008春 『AYA The Witch』 [DVD]

松浦亜弥コンサートツアー2008春 『AYA The Witch』 [DVD]

あややの 2008年春ツアーから、中野サンプラザ公演(2008.6.8)の模様を収録した DVD 。 映像は 16:9LB、音声はリニアPCM、収録時間は 134分(本編 112分、特典映像 22分)というフォーマットです。 ジャケット写真が格好いいのにアマゾンは画像なしなのが残念だな〜。 ということでスキャンしてみました。
AYA The Witch ジャケット写真


何はともあれ、冒頭の 2 曲(「From That Sky 〜替え玉は硬メンで〜」と「絶対解ける問題 ×=ハート」)の編集がウザイですね。 ビシバシと頻繁にシーンチェンジを繰り返すだけでもアレなのに、パンの時にわざと荒っぽくカメラをぶらせたりとか、フォーカスイン時のボケ多用とか。 ライブ DVD というのは単なる記録映像ではなくて、制作サイドの様々な意図が反映された映像作品であることは十分理解しているつもりだし、それをどのように仕上げるかもまた制作サイドの自由であることは自明です。 
が、ワタシがライブ DVD に期待するのは、現場の臨場感と客席からの視点ではわからないディテールなんですよね。 要するに過剰な演出はジャマなだけ。 プロモーション用の映像であれば本作品のような手法も悪くはないと思うけれど、ライブ DVD の本質はドキュメンタリー性でしょう。 もちろん、単なる資料用ではなく一般発売される娯楽作品なので魅せるための相応の編集は不可欠とはいえ、別のアプローチをとるか、もう少し押さえ気味にした方が良かったと思います。
パッケージ化されたソフトは繰り返し鑑賞する物だということを、忘れているとしか思えないですね。 たとえどんなに格好良くて刺激的な演出だったとしても、繰り返して観ているうちに飽きてくると思うんですが。 "飽きのこない" は "シンプルな" と同義だと断言しても、あながち外れていないと思うのはワタシだけでしょうか。


音声については、ホールの残響を排除してかなりドライな仕上げ。 臨場感は希薄ですが、かわりにディテールがわかりやすいという利点があります。 実際の現場は音響バランスがいいとは言えないので、バンドの演奏やボーカルの表情の細かな部分を確認できるという意味では、ドライなのは好都合でしょうか。 アンビエントのミックス度合いは普通かな?
音声といえば、特典映像にダイジェストが収録されている東京厚生年金会館公演がちょっと残念な感じですね。 涙で歌えなくなった「笑顔に涙〜THANK YOU! DEAR MY FRIENDS〜」を客席のヲタどもがかわりに大合唱していたんですが、その歌声がほとんど聞こえないです。 シチュエーション的にこの大合唱は外せないので、もっと聞こえるようにして欲しかったな〜。 本番収録ではないので、マイクのセッティングが十分に出来なかったのかもしれませんね。


あと、引っかかる点がひとつ。 「奇跡の香りダンス。」の途中にバンドメンバー紹介がありますが、キーボードの杉山卓夫さんがいなかったかのような編集になっていますね。 あややが「キーボード、杉山さ〜ん!」と紹介する部分がばっさりカットされていて、紹介なしにキーボードが入ってくるところがすごく不自然。 事務所となんか揉めたのかしら? 杉山さんはハロプロメンバーの現場でなにかとお世話になっているだけに気になるなあ。


収録されている公演は、本ツアーの中では出来としてはイマイチでした。 いつも以上に歌詞を飛ばしたり間違えたりと、ここらへんは観ればわかりますが。 まあ、収録スケジュールは前もって決まっているので、今さらどうこう言ってもしょうがないですけど。 何事もポジティブにとらえるとすれば、こういうのもライブならではだし、上に書いたドキュメンタリー性という視点では興味深いのは確かですね(ちと苦しいかw)。 なんだかんだ言いつつ、同期データを排除した生演奏がもたらす醍醐味であるとか、実に楽しそうなあややの姿だとか、基本的にイケているので、観に行った人はもちろん、観に行っていない人にも楽しめる内容になっていると思います。