シンデレラ the ミュージカル 新宿コマ劇場(2008.8.6 17:00)

宝塚×モーニング娘。ミュージカル第2弾、いよいよ初日を迎えるわけですが、Dohhh UP!にアップされている稽古風景とか見ていても余りピンとこないですね。 もっとも、練習風景の断片を見ただけでピンとくる方がどうかしてると言えなくもないので、まずは本編を観てからでしょうか。 なにせ前作はあの「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」だったわけだし、何かと期待しちゃいますけど。 とにかく楽しみだぜ〜♪


□休憩中
ものすご〜くオーソドックスで嫌みのない作りですね。 安直に一言で表せば、ご家族揃ってどうぞ!みたいな。 ストーリーそのものは誰でも知っているので展開の面白さみたいなのはありませんが、スマートな演出とパフォーマンスで楽しく観ていられるかも。 楽団の皆さんもなかなかの GJ で、心地よいサウンドが耳に優しく響きます。 後半も期待しちゃおうっと♪

本編

小編成のオーケストラがいるということでコマ劇場のどこにそんなスペースがと思っていたら、なんとステージ前縁に沿って内側(ステージ側)にピットが。 なるほど、こういう風になっていたのね〜。 よって、本来のステージより奥まった位置が今回のステージ最前となっています。 緞帳も劇場備え付けのではなくて、シンデレラスペシャルなやつがやや奥に設置してありました。
コマ劇場といえば自慢の舞台装置がフル稼働!なんてことはなくて、地味に使っていましたね。 場面転換も、背景の書き割りを横方向に移動するオーソドックスな方法だったように思います。 セットそのものも必要最小限という感じで、自然と役者の演技に目がいく作りですね。


□雑感
上にも書いたとおりスマートなのはいいんだけれど、余りにもこなれすぎていて物足りなさを感じちゃいますね。 演出面でも、一瞬にして引き込まれるようなシーンは皆無だし、めちゃくちゃ印象に残る強烈なキャラクターも登場しません。 とにかく淡々と進行していくので、気が付くと終わってた、みたいな。 逆に言えば、誰でも安心して観られるということなので決して悪いわけではないんですが、何回も観たくなるような中毒性は希薄かもしれません。


印象が薄くなる要因として、楽曲が面白みに欠けるというのがあるかな。 ワタシは歌ヲタなんで、劇の内容に関わらず楽曲が気に入れば全て OK みたいなところがあるんですが(端的な例が「白蛇伝」かなw)、今回は特に引っかかっる楽曲はないですね。 ここが「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」と決定的に違うポイントのひとつではないでしょうか。 出演者の歌唱や、生の管弦楽がもたらす優雅な空気感は素晴らしいとは思うものの、悪く言えば古色蒼然としたテイストはいかんともし難いです。 劇にはぴったりフィットしていますが。


高橋愛新垣里沙
当たり前ではありますが、シンデレラ役の愛ちゃんと王子様役のガキさんは舞台上にいる時間も多めだし、ソロでの歌唱もあるし、かなり目立っていたように思います。 とりあえず、いい役を貰えているなと。 演技は、まあこんなもんって感じかなあ… 別にヘタクソというわけではなくて無理なく劇に溶け込んでいたとは思いますが、あんまり印象に残らないというか薄いというか。 初日ということで、とにかく間違えないようにこなす事に集中していたんでしょうね。 ここらへんは舞台を重ねていけば良い方向に変化していくのではないかと思います。
歌については、愛ちゃんの方は割と音域が合っているようで無理のない感じの歌唱でしたが、ガキさんの方はキーが低すぎて苦しいかな?という楽曲もありましたね。 二人でハモるシーンなんかは、娘。ヲタならある種の感慨を覚えるかも? 


亀井絵里田中れいな
他にはシンデレラの義理の姉役をやっている亀ちゃんとれいなも目立っていました。 出演シーンも台詞もそこそこ多めだから目立って当然だけれど、全体的に落ち着いた雰囲気の劇中でキャピキャピした空気を醸し出していて、なんつうか、"ああ、娘。" だなと。 イジワルな姉というよりは、タダのグータラ(亀ちゃん)とわがままなヤンキー(れいな)という感じではありましたがw 愛華みれさんと愛ちゃんも含た家の中のシーン、テンポのよい芝居でなかなかよろしかったと思います。 特に第二幕冒頭の「シンデレラの家」が良かったかな。


□他の娘。メンバー
残りのメンバーは見せ場は少ないかな〜。 伝令官役の小春にはそれなりに台詞があるんでまだマシですが、さゆ、光井ちゃん、ジュンジュン、リンリンには見せ場と呼べるシーンがないのが残念でした。 各々が何役かをこなしているので出番はちょこちょこ巡ってくるんだけど、台詞がほとんどないのがなあ… さゆと光井ちゃんが娘役の時に着ている、ピンクがアクセントになった白いドレス姿なんかは可愛らしくて和めますが。


愛華みれさん
そんな中、ひとり濃い演技で目立っていたのが継母役の愛華みれさんでしょう。 表現が若干オーバーすぎるような気がしないでもなかったけれど、コミカルな演技で客席の笑いを誘っていましたね。 この舞台の直前まで闘病生活で活動休止していたとは思えない存在感は、さすがの一言です。 一緒に舞台上にいる娘。達にも波及していきそうなエネルギーを感じました。 演技など無理をしているようには見えませんが、大病を患った直後ですし、うまく体調を整えつつ、この舞台を引っ張っていって欲しいものです。


ふと思い出しましたが、愛華さんと小春がからむ、とあるシーンが面白かったですね。 愛華さんは上に書いたような調子で演技をしていたんですが、対する小春の方は笑いが堪えきれないというかほとんど笑顔で演技していましたね〜、笑うようなシーンではないのにw 台詞がないところだったので、思わず愛華さんの演技に見入っちゃったんでしょうか。 些細な事だけど、印象に残る一コマでした。


その2(id:anomala:20080808#p1)へつづけ。