Quartet / Metheny Mehldau Quartet

カルテット

カルテット

前作「Metheny Mehldau」(id:anomala:20061005#p2)に続く、Pat と Brad のコラボ作品。 前作はデュオでプレイされている楽曲が多めでしたが、本作ではタイトルどおり、カルテット編成でプレイされている楽曲が中心になっています。 ちなみに、カルテット7曲、デュオ4曲という割合です。 パーソネルは引き続き、Pat Metheny(G)、Brad Mehldau(P)、Larry Grenadier(B)、Jeff Ballard(Dr) 。


一言でいえばクールですが、クールじゃちと表現が陳腐すぎるかなw 独特の透明感のあるアンサンブルとサウンドで、硬質なイメージ。 なんとなくクリスタルで YAHAMA NS-1000M 的でもあり色で言えば寒色系で田舎か都会かと言えば都会です。 けれども冷たさを感じさせるというわけでもなくデュオで顕著なリリカルな美しさにうっとり… といった具体に、文章にするのが非常に難しいサウンドなので是非聴いてくださいとしか言いようがないですね(半分投げてます)。


収録曲全11曲のうち、Pat 作が7曲、Brad 作が3曲、共作が1曲という構成です。 お互いのカラーが良く出ていて、一聴してどちらの作品かすぐにわかりますね。 全体的には Pat のカラーが強めかな?という感触ですが、Brad 得意のちょっと抽象的なテイストの曲とのコントラストが興味深いです。 
プレイの方も、Brad 作の「Towards The Light」での、Pat のプレイとか、逆に Pat 作の「Fear And Trembling」での Brad のプレイとか、お互いの家に遊びに行って自由に振る舞っているといった趣で、個性的なアーティストのコラボ作品ならではの味わい。 Pat 得意のギターシンセが聞こえてくると、もう Pat だああって感じなんだけれども、アンサンブル自体は自身のグループでは決して聴けないテイストを出しています。
後、サウンド面でいえば、ドラムの Jeff さんの個性が光りますね。 金物系の叩き方とかなかなか面白いし、アルバム全体のカラーにも多大な影響を与えていると思います。 なにはともあれ、コンテンポラリーかつイケてるジャズ作品を聴きたい人にはオススメの1枚でしょう。