モーニング娘。/レインボー7

発売以来ヘヴィローテしてましたが、なんというか、アルバム然としたアルバムだなあ、と思いました。 シングル曲が5曲(うち2曲がリミックスとリメイク)ありますが、それらが突出しているという感じを受けません。 ものすごく印象に残るシングル曲をアルバムに入れると、その曲だけ浮いてしまってアルバムとしてのバランスがちぐはぐな感じになることがままありますが、そういうのはないですね。 まあ、逆に言うとシングル曲としては弱いともいえますが、それはまた別の問題でしょう。


それはさておき、M01の「HOW DO YOU LIKE JAPAN?〜日本はどんな感じでっか?〜」からM02「THE マンパワー!!!」をはさんでM03「青空がいつまでも続くような未来であれ!」の流れが、ものすご〜く、「娘。!」って感じがします。 ヘヴィなリズムが心地よいインチキミクスチャーロックみたいなVisit Japan Campaign用?のM01は娘。ならではのテイストだし、こんなの(M02)シングルで出す(出せる)のも娘。だけだし、一転してハッピーでウキウキなアレンジのM03もまた、娘。っぽさ全開でしょう。 こんだけ節操がないのに、らしさが表現できているのは素晴らしいと思いますね。 メンバーの脱退、加入を繰り返しながら積み重ねてきた歴史の重みを考えさせられます。


メンバーを分けて収録した楽曲が3曲あって、そのうち、新垣・亀井・田中の「INDIGO BLUE LOVE」と、吉澤・高橋・紺野・小川・藤本の「無色透明なままで」は、アルバムにはすんなり溶け込んでいますが、やはり楽曲としては弱い印象があります。(良い曲・悪い曲という意味ではなくて。) 作りが極めてオーソドックスだしフックになるようなメロディがない分、しょうがないかもしれませんが。 逆にオーソドックスであるがゆえに歌っているメンバーのパフォーマンスを堪能するにはいい感じだと思います。
残る1曲は問題作、道重・久住の「レインボーピンク」ですが、セリフ部分を除けば、王道メロディのアイドルポップですね。 しか〜し、セリフが強烈なキャラ付けと演出なので、王道もクソもありませんw 完全なお遊び曲になってるので、アリといえばアリかなあ?と思うけど、これに拒否反応を起こす人もいそうです。 春ツアーで披露される可能性がありますが、ヲタじゃないワタシもそこだけ見てみたい、と思わせる破壊力。


M09の「パープルウインド」はつんく♂らしさが滲み出るアッパーな歌謡曲テイストの楽曲ですが、さらにパートぶつ切りで歌われているので、これまた娘。だなあ、としみじみ思いました。 曲としては凡庸かもしれませんが、入れ替わり立ち替わり個性的かつ識別可能な声が聴こえてくるのは、ファンには満足できる仕上がりでしょうね。
M10の「さよなら SEE YOU AGAIN アディオス BYE BYE チャッチャ!」は、マジメなんだかふざけてるんだかよくわからない詞ですが、これってコンサートの締めとか想定してるのかな? セリフが芝居がかってますが、これはシアトリカル・ロックの一種と捉えてもあながち外れてないような気がしませ(ry
最後の2曲、「直感2〜逃した魚は大きいぞ!〜(全くその通リミックス)」と「女子かしまし物語3」は曲自体は既出なので新鮮味はないですね。 そこが惜しいかもしれません。 「女子かしまし物語3」のブルースハープはいい感じだけど、詞は適当だよなあ、これ。 詞が命みたいな曲だけに手抜き感が漂います。 まあ、冬ハロコンで披露されたエルダークラブバージョンよりはマシですがw つぶやきシローとれいなとガキさんのセリフが聴き所ですかね。


このアルバム聴いてて気になるのが、導入部がセリフの曲が多いところです。 イントロがいきなりセリフなのは、詞の世界に聴き手を引っ張り込む一番安直な手だと思ってるので、芸がなさすぎ。 今に始まったことではないですが、もうちょっと考えて欲しいですね。 アホみたいなコード進行にアホみたいなアルペジオでも哀愁漂いまくりな「Hotel California」のイントロを見習って欲しいかもw


以上、しょうもないレビューですが、アルバム自体の出来はそこそこいい感じではあるけど、純粋にアルバム収録曲のクオリティだけなら美勇伝の「スイートルームナンバー1」のほうがいいかなあ… と、個人的には思ってたり。