Deep Purple / Yngwie Malmsteen at 国際フォーラム(2009.4.15 19:00)

本日はこちらのライブを観に有楽町までお出かけでございます。 ここ数週ほどさゆさゆな週末だったので、なかなか新鮮かもw ところで、事前の情報では Yngwie と Deep Purple の共演もあるような話だったのに、実際には Yngwie が前座っぽい扱いの二部構成なのですね。 オリジナルメンバーに混ざってどういう風に弾き倒すのか興味があったので、ちょっと残念かなあ… 個人的に注目なのは Deep Purple道重さゆみこと Steve Morse 先生で決まり。 どこがさゆなんだ!という突っ込みは受け付けません。 頭文字が同じというだけで十分ですw 
東京国際フォーラム

本編

さすが最終公演、第二部(Deep Purple)の途中でとんでもないサプライズな出来事があって超ビックリ! それは Don Airey のキーボードソロの時に起きました。 しばらくソロを取ったところでステージのライトが落ちたので、ああソロパートが終わったのかなと思ったら、次に明るくなった瞬間、オルガンの前には Don じゃなくて白髪の見たことがある人物が… なんと、Jon Lord じゃないですか! こんなの微塵も想定していなかったので、正真正銘のサプライズですね。 場内も一種異様な空気に包まれていましたが、そりゃビックリするわなあ。 うーん、いいもん見せてもらいました。


Yngwie Malmsteen
リアルタイムで Yngwie に嵌った口ではないし、好きなタイプのギタリストというわけでもないので、そんなに期待はしてませんでしたが、前評判よりはちゃんとギター弾いているなという印象でした。 嵌らなかったとはいえ、さすがに速弾きクラシカルスタイルの元祖なだけはあって、見た目も音も存在感バツグンだったように思います。 あと、ヴォーカルの Tim "Ripper" Owens がパワフルかつオーソドックスなスタイルでけっこう良かったんですが、65 分という時間の割にはインストゥルメンタルナンバーが多めな事もあって、出番が少なかったのは惜しかったですねー。 セットリストに関しては、メジャーどころが多かったのかな? こんなワタシでも聞いたことがある曲がそこそこあったのでw 


Yngwie の演奏が終わった後、休憩時間中にアンプ他のセッティングを完全に入れ替えたので Deep Purple との共演はないものと思っていたら、なんとアンコール前のナンバー、「Smoke on the Water」Jon Lord と共に乱入とか。 これまたサプライズですね。 正確にいうと、曲前の Steve Morse のソロコーナーに乱入ですが。 スタイルが全然違うのに、速弾きバトルでタメはってる Steve はサスガです。
で、このシーンの直前、「Space Truckin'」の最後の方で Steve が転んでシールドにダメージがあったらしく(シールドを交換してました)、しばらくギター不在の時間帯がありました。 そこへ Yngwie 用のマーシャル(ヘッド+キャビネット2台)をクルーが運んできたんですが、Ian Gillan がいらついたようにアンプを押し戻そうとしてました。 このアンプを持ってきたせいで Steve の機材がトラブったと思ったのかもしれませんね。 Steve がまぁまぁみたいな感じで話しかけて、それ以上、何事もなかったけど。 
その「Smoke on the Water」でのプレイですが、Steve に比べると音がデカイなあ、という印象w ギターソロの入りをほぼ「Machine Head」収録のオリジナルバージョンどおりに弾いていたのは、オリジナルメンバーに敬意を表したのかな? まあ、そのオリジナルメンバーは Yngwie に対して素っ気ない態度だったように見えましたがw Steve は割とフランクな感じに接していて、いい人ぶりが際立っていたように思います。


Deep Purple
オリジナルメンバーは見た目はそこいらのおじいちゃんなんだけど、とにかく凄いの一言です。 トップナンバーは「Highway Star」だったんですが、Ian Paice のドラムがあああああ。 リリースから 40 年近く経とうというのに、あの突っ込み気味なスタイルが当時のまま! 本人が叩いているので当たり前とはいえ、グッときましたねー。 ガキんちょの頃から聴きまくって耳タコなんて生やさしい表現では足りないギターおやぢのアンセムなだけに、オリジナルそのままの演奏に感動しないわけがない。 Ian Gillan も歳を考えれば(1945年生まれ)十分に声が出ていたと思うし、2009年時点でのパフォーマンスとしては文句ナシでしょう。 惜しむらくは Roger Glover のベースが音量小さめでやや物足りなかったところかな。 ま、低音過剰になるよりはマシなので、めちゃくちゃ気になったというわけではないけど。 それにしても、とんでもないじいさん達だよなあ、オリメンは。 オリジナルバージョンをなぞる Don のオルガンも気分を大いに盛り上げてくれました。


そして、サプライズな登場で客席を沸かせた Jon Lord。 ぶっちゃけ、プレイのコンディションは万全ではなかったけれど(飛び入りなのでしょうがない)、あの Jon がオルガンを弾いている、というだけでお腹いっぱいですね。 「Perfect Strangers」でのオルガン(特にイントロ部分)、マジで痺れたぜ! たとえオルガンを弾かずに、ただ立っていただけだったとしても客席は沸いたでしょうねー。 それくらい存在感バツグン。 上にも書いたとおり、ホントいいもん見せて貰いました。


このライブで一番注目していたのは、マッチョな二の腕とストレートヘアがチャーミングな Steve Morse 先生です。 個人的にもの凄く好きなギタリストなんで。 MUSIC MAN の新旧シグネイチャーモデルを手に、終始微笑みを浮かべながら余裕のプレイでしたねえ(アンプは ENGL のヘッドとキャビネット)。 正式メンバーだけはあって、他のメンバーとも和やかなムードで接していました。 ただし、Steve らしさ全開のプレイを貫いているので、古めのナンバーではやや違和感があったかもしれません。 例えば「Highway Star」とか。 印象に残るキメフレーズはほぼオリジナルどおりに弾いていたものの、フリーな部分になると突然 Dixie Dregs「Cruise Control」みたいなテイストになって思わずニヤリw まあ、Ritchie Blackmore の代役としてギターを弾いているのではなく、あくまで自身のスタイルに拘るところは立派というか、Steve ほどのミュージシャンになれば当然かな。
ということで、ワタシみたく Steve のファンでもある人には一粒で二度美味しい的な楽しみ方が出来てウマーだったけど、根っからの Deep Purple ファンにはどうなんでしょうね… 正直、Steve のようなスムースかつタイトなスタイルのギタリストより、もっと破天荒なタイプのギタリストの方が、楽曲との親和性は高いような気がします。


とりあえず、こんな感じ。 12K というチケット代は安くはないですが、十分見合う内容のライブだったと個人的には思います。 また機会があれば観に行きたいですね。


□ Set List
2ちゃんのスレから拝借(Deep Purple のみ)。 公演時間は約100分です。


M01.Highway Star
M02.Things I Never Said
M03.Into the Fire
M04.Strange Kind of Woman
M05.Rapture of the Deep
M06.Contact Lost〜Steve Solo
M07.Sometimes I Feel Like Screaming
M08.The Well-Dressed Guitar
M09.Wring That Neck
M10.Mary Long
M11.The Battle Rages on
M12.Don Solo〜Perfect Strangers(with Jon Lord)
M13.Space Truckin'
M14.Smoke On The Water(with Jon Lord & Yngwie Malmsteen)
−Encore−
M15.Hush〜Drum Solo
M16.Black Night


□追記 2009.4.18
終演後に元祖ギター侍西山毅さんソックリな人とすれ違って本人かなーと思ってましたが、やはり本人だった模様。 ビッグネームのコンサートでは色々と有名人を目撃できる機会も多いので、ミーハーな気分も満たされますねw


西山毅不定期日記
http://n-takeshi.sakura.ne.jp/nt/nt-diary/2009/04/pq.html


□追記その2 2009.4.19
この公演のアンオフィシャルっぽい映像が YouTube に上がっているとのことで追加。