John Abercrombie / Marc Johnson / Peter Erskin

John Abercrombie Marc Johnson Peter Erskine

John Abercrombie Marc Johnson Peter Erskine

パーソネルがそのままアルバムタイトルの 1989 年リリース作品です。 ボストンの The Nightstage で収録されたライブ音源ですが、ECM 独特のクールかつ繊細な音作りで一般的なライブ音源とはかなり趣きの異なる仕上がりですね。 さすが ECM の顔なだけはあるといったところでしょうか。
収録されている楽曲はオリジナルとスタンダードを織り交ぜた構成で、とりあえず取っつきやすいのがマル。 John ならではの、叙情的でクレバーな印象のプレイもたっぷり堪能できます。 「Stella By Starlight」のような、様々なアーティストがプレイしている楽曲も収録されているので、聴き比べという視点でも面白いですね。 
聴き比べといえば、Marc 作の「Samurai Hee-Haw」でのプレイは、Marc リーダー作品「Base Desires」に収録されている John ScofieldBill Frisell が参加したバージョンや、同じく Marc リーダー作品(Right Brain Patrol 名義)「Magic Labyrinth」に収録されている Wolfgang Muthspiel が参加したバージョンなどと比べると、ギタリストとしての個性が際立って興味深いかもしれません。 というか、個人的に一番の聴きどころはこの曲だったりしますけど。


ここでちょっと脱線しますが、アナログ盤から CD の時代になって最も恩恵を感じるのは、こういった繊細なサウンドが収録されている作品を聴く時ですね。 純粋に音だけならアナログ盤の方がいい!というマニアは多数居そうですけど、原理的にメディアに起因するノイズが不可避なところが致命的です。 どんな再生環境でも直接耳に付くスクラッチノイズやポップノイズが皆無なのはデジタルフォーマットならでは。 まあ、元の音源にはない音(ノイズ)が出ているアナログ盤と、デジタル化の過程で元の音源にはあったかもしれない音が欠落している CD の、どちらがいいかという話題は不毛なのでこのへんでw


ECM サウンドが三度の飯より好きという人にはもちろん、John の作品を聴いたことがないという人にもオススメの1枚かな。