竹内まりや ソングミュージカル「本気でオンリーユー」 パルコ劇場(2008.10.5 13:00)

三週間ちょっとの公演期間でしたが、目出度く千秋楽をむかえました。 ということで、今日は渋谷までお出かけです。 あややヲタのくせに、やっと二回目の観劇という体たらくではありますがw あややの歌は聴きたいけどお芝居の内容が…というミュージカルならではのジレンマに陥ってウダウダしているうちに最終公演になってしまった、といったところでしょうか。 いずれにしろ、楽しみ〜♪

本編

お芝居そのもの(脚本とか演出とか)に関しては初回に観た時と同じで、くたびれたおやぢ向けには辛いものがあるな〜という印象でしたが、キャストの皆さんの演技は凄かったですねえ。 最終公演というのもあってか、感情表現がオーバーすぎるのでは?と思えるポイントもあったけれど、それがある種の熱さに繋がって観ていてグッと引き込まれました。 スキルのある人達が連日の公演で積み重ねてきた諸々は、さすがに伊達ではないなと。
特に、展開にメリハリのある第2幕での女性陣の演技が熱かったですね。 例えば、彩子(ANZA さん)が知可子(あやや)を相手にやり場のない感情を爆発させるシーンとか。 ここは初回の時点でけっこうな迫力がありましたが、この公演では鬼気迫るものを感じさせてくれました。 ワタシの席の前列には若い女性グループが座っていたんですが、みなさんここで涙涙です。 ワタシももらい泣き〜と行きたいところだったけれど、ANZA さんのあまりの熱演ぶりに涙どころじゃなかったかも。 役者の演技で客席が張り詰めた空気になる瞬間なんてのも芝居の楽しみのひとつではありますが、感情移入をせずに(できずに)観ていると、その緊張感がもたらす息苦しさに圧倒されてしまします。 いや、ホントに凄かったです。


松浦亜弥
初回を観た後の感想に、竹内まりやさんの楽曲は無理なく劇に溶け込んでいるけど歌の部分になると頭が曲鑑賞モードになってしまう、みたいな事を書きましたが… この回は、楽曲の溶け込み具合が半端じゃなかったですね。 特にあややがメインで歌うところが。 いかにもミュージカルでこざいみたいなオープニングあたりはともかく、芝居の感情表現そのままに歌詞=台詞であるかのような歌い方をしていたので、独立した楽曲として鑑賞するのは無理があるくらいでした。 普通のライブではけっして聴けない歌い方をしているのは貴重ですが、ここまで来ると歌なのかお芝居なのか微妙なところ。 意識としては役者として歌っていたはずなので、普段と全然違うのは当たり前ではありますが。
お芝居を観に来ているのにこんな事を書くのは筋違いかもしれませんが、その歌い方に若干の違和感を覚えたのも確かです。 表現としては完璧かもしれないけど、もし自由に歌ったらどんな感じになるのかなという興味は押さえきれないですね。 劇中にこんなことを考えてしまうのは、ワタシが歌手としてのあややの現場に慣れすぎているせいかもしれません。


カーテンコールでの実に晴れ晴れとした満足そうな表情は印象的でしたが、割とサバサバとしているように見えました。 大きな仕事をやり終えた充実感で一杯だったのでしょうね。 が、その笑顔を見ながら、やっぱりあややはライブだよな〜と確信したのも確か。 自分の裁量で自由にふるまえる範囲が大きいライブという場でこそ "らしさ" が発揮できるタイプの人だと思っています。 ここらへんは歌手が本業なので当然といえば当然ですけど。 なっちの現場もそうですが、歌手が歌手としてステージに立って歌っているのと、役者としてお芝居をしているのとでは、前者の方がより魅力的に映るのは必然でしょう。 将来的に、役者としての仕事が増えてパブリックなイメージも役者というくらいになればまた違うのかもしれませんが、現時点では歌の方が "らしさ" という部分も含めて魅力を発揮できているように思います。 逆に、この舞台を観てあややに惚れた人には、ぜひライブに来て欲しいですね。 あややの真の姿はライブの場にあります。 以上、歌手としてのあややの魅力に嵌りまくっているおやぢの戯れ言でした。