きっと長い手紙 〜かもめ郵便局物語〜 本多劇場(2007.10.7 15:00〜) その3

その2(id:anomala:20071008#p1)の続きです。 千秋楽公演だからといって特別なこともなく、いつもどおりの舞台だったと思いますが、そんな中、目立っていたのがラスト近くで号泣する矢口w 崎坂局長(小宮隆泰さん)の送別会で、局長がお礼の言葉を述べているシーンです。 他の人達は、お別れは悲しいけれど笑顔で送りださなきゃ!みたいな、笑顔基本で涙じんわりといった表情の演技だったんですが、舞台やや下手側に立っていた矢口だけ普通に号泣です。 カーテンコールの時に、矢口自身がこのシーンについて触れていましたが、いろいろとこみ上げてくるものがあったんでしょうね。 そんな矢口がすごく可愛かったので好感度アップです。


お芝居そのものについて、他に印象に残っているのは踏み台かな? お話の中で、手作りの木製の踏み台がキーアイテムになっていて、冒頭のシーンとエンディングで効果的に使われていましたが、あれは上手かったですねえ。 由香(矢口)やわたる(大口兼悟さん)の小学生時代と "今" を、崎坂局長と山崎新局長(春風亭昇太さん)を、見事に結んでいたし、締めとしてすごく素敵でした。 ちっちゃな由香が踏み台に乗ってわたるとハグするというのは、少しユーモラスな印象もあるので客席からは軽く笑いも起こりましたが、観劇後の、なんともいえない暖かな余韻に繋がっていたと思います。 

小ネタ

今回、矢口の恋人役をやっていた大口兼悟さんって、あやや筧利夫さん主演で新宿コマ劇場でやった「すけだち」にも出ていたのね〜。 微塵も記憶にねえ!と思って「すけだち」のパンフレットを見返してみました。 なるほど、ハーデス(宮川大輔さん)の手下役のひとりだったのかあ。 が、手下役の役者さんは、夢見がちな乙女の願望を具現化したような三浦涼介さんの美しすぎるお姿しか印象に残ってないかもw ごめんなさい。


もうひとつ。 実に下らないというかしょうもないネタですけど。 矢口のような可愛らしい女性がワンピース姿で舞台上を動き回っている時、なにかのキッカケでワンピースの裾が大きくヒラリ♪とかなっちゃうと、自分の意思とは無関係に、オートマティックに視線がそちらにロックされてしまうのは、世代にかかわらず健康な男子の証と言えましょう。 んで、結果から書くと、普段着っぽく見えるとはいえステージ衣裳には違いないので、目に焼き付いた光景もまたいつものステージと同じでした。 ただ、上に着ている衣裳の違いが、味わいの差となっていた気はします。 う〜ん、味わいは違うかw 趣き?

カーテンコール

□1回目
役者さんがひとりずつ登場して客席に向かって礼をしてから次の役者さんを呼び込む、オーソドックスな形でしたね。 セットの入口2箇所(郵便局の玄関と上手側の扉)から交互に舞台に出てきていました。 先頭は矢口。 んで、最後に勢揃いしたところで、あらためて礼を。


□2回目
矢口を先頭に全員ワラワラと出てきたところで、演出のラサール石井さんを呼び込んでいました。 ここで、最前列らへんやや下手寄りにいたヲタどもが、バカバカ団(レッドポストマンの敵役の、なんちゃってショッカーみたいなの)のマネをして、黒いマスクを被ってなんちゃってバカバカ団に早変わり。 右手を差し出すキメポーズをやっていました。 これ、舞台上の役者さんにウケていましたね〜。 ワタシのとなりにいたオバサンも爆笑してましたけどw ラサール石井さんは、ケータイを取りだして嬉しそうに写真を撮っていました。 ここらへん、ブログのネタにするのかな〜と思っていたら、さっそくネタになっているようです。


ラサール石井の鉄板少年らさある
http://blog.livedoor.jp/lasar1019/archives/2007-10.html#20071008


□3回目
出演者を代表して何人かがお礼の言葉を。 小宮さんに促されて、まずは矢口から。


矢口真里

  • 矢口「皆さん、千秋楽来ていただいて本当にどうもありがとうございます(客席拍手) 今回は初主演ということでですね、みなさんに支えられてここまで来ることが出来ました。 ほんとに暖かいチームだったので、わたしも今日すごくさびしくてですね、芝居中に号泣をするという失態をしてしまいました(客席笑い) 小宮さんのステキな最後の台詞の時にですね、あ〜本当に今日で最後なんだ〜みたいな実感がドンドンこみ上げてきまして… 本当に素敵なお芝居をラサールさんの演出で中島さんの脚本で出来て、本当に幸せに思っております。 ありがとうございました!」
  • これでだいたい合っていると思いますが、実際の言葉は "え〜" とか "あの〜" が多かった気がします。

春風亭昇太さん

  • "パンフレットが余るとどうしようもないので買って" というのを、いきなり噛んで突っ込まれまくりでしたw Tシャツも買ってね、みたいなことも言ってましたね。

ラサール石井さん

  • "この座組は劇団ではないのでこれでお終いだけれども、あまりにも仲がいいのでまたなにかできたら" というような主旨の発言で客席から大きな拍手が。 となりにいた矢口が、すごくはしゃいだ感じで拍手していたのが印象的でした。 
  • お客さんに来て欲しいので今日来た人はもう一人連れてこい、と言って笑いを取っていました。

小宮隆泰さん

  • 崎坂局長の役柄そのままに、朴訥とした感じの挨拶でした。
  • 崎坂局長のモデルとなった入山さん(ラサール石井さんの知り合いで前国分寺光郵便局長)が客席にいるということで、舞台に呼んでいました。 けっこう後方の席で観劇されていたようです。 もちろん、客席からは暖かい拍手が。


□4回目
最後はスタンディングオベーションで。 ラサール石井さんと入山さんが、ケータイで客席の写真を撮っていましたね。 このシーンも上に貼ってあるラサール石井さんのブログでネタになっていますが、ワタシも地味に晒されているなあw とにかく、お芝居の内容そのままに暖かい雰囲気に包まれていて、なかなかよろしかったです。


とりあえず、こんな感じ。 コメディタッチの親しみやすいお芝居で、ワタシのような演劇ヲタではない人間にも十分楽しむことが出来たし、繰り返しになりますが、場の雰囲気の暖かさがすごく心地よかったですね。 あからさまにお客さんを笑わせようとするシーンも多かったけれど、それだけが過剰になることもなく、バランス感覚に優れた演出だったし、純粋に人情劇として観ても良い舞台だったと思います。