Freeway Jam - To Beck And Back - A Tribute

To Beck & Back

To Beck & Back

つい最近リリースされた Jeff Richman プロデュースによるトリビュートシリーズ、今回は Jeff Beck ものです。 リリース元はいつもの Tone Center ではなくて Mascot Records レーベルからですが、Executive Producer に Mike Varney の名前があるし、同じ Shrapnel 傘下のレーベルのようですね。 って、amazon は Tone Center になってるなあw ま、いっか。
参加しているギタリストは、Steve Morse、John ScofieldEric Johnson、Adam Rogers、Jeff Richman、Mike Stern、Warren Haynes、Chris Duarte、Greg Howe、Walter Trout という、なかなかのランアップ。 ちなみに、バックバンドのパーソネルは、Vinnie Colaiuta(Dr)、Simon Phillips(Dr)、Stu Hamm(B)、Jeff Richman(G)、Mitchel Forman(Key) となっております。 


毎回同じ事書いている気がしますけど、この手のアルバムはとりあえず楽曲のクオリティが保証されているので安心して聴くことが出来ますね。 しかも、Jeff Beck ということで、お馴染みのナンバーが並んでいるし。 ギタリストへのトリビュートという面では、以前紹介した同じシリーズの Santana トリビュート盤(id:anomala:20061101#p2)と同じで、ギタリストがギターインストをカバーしているので、あんまり違和感がないのもマルです。
アレンジが原曲尊重路線とオリジナリティ勝負路線の楽曲が入り乱れてたりするのはトリビュート盤ではありがちですが、今回はほぼ原曲尊重路線です。 原曲のテーマを崩しすぎて別の曲みたくなっていたりするのも仕上がりによっては面白いですけど、安心感という意味では原曲尊重も悪くないですね。 テーマとなるメロディをほぼオリジナルどおりに弾いていても、微妙なニュアンスの出し方でギタリストの個性が出るのが興味深いかもしれません。


今回は、どのナンバーも割とよい出来ではないかと思いますが、個人的にニンマリ度が高いのは Eric Johnson の「Beck's Bolero」と Mike Stern の「Diamond Dust」あたりかな? 前者は Eric 節全開のギタートーンで、一瞬 Eric のオリジナルアルバムを聴いているような錯覚に陥る導入部がたまらんし、後者は楽曲のテイストにマッチした Mike ならではの浮遊感漂うトーンとフレージングが心地よいです。
あと、サウンドのキモとして、キーボードの Mitchel さんが良い仕事をしていますね。 Jeff Beck の楽曲って、けっこうキーボードがアンサンブルの重要なファクターになっていたりするのも多いので、ここで手を抜かれるとアレですが、心配無用かな。 とっかえひっかえ色々と弾いていますが、十二分に役割を果たしていると思います。


誰でも知っている楽曲が並んでいて、かつ個性的なミュージシャンのハイクオリティなプレイが楽しめるという、トリビュート盤というフォーマットの良い面が出ていると思います。 このシリーズの中では、オススメの1枚☆カナ