Time Control/上原ひろみ〜Hiromi's Sonicbloom

タイム・コントロール

タイム・コントロール

ギタリストとして David Fiuczynski を迎えた、上原ひろみのプロジェクト Hiromi's Sonicbloom のニューアルバム。 パーソネルは 上原ひろみ(P,Key)、Tony Grey(B)、Martin Valihora(Dr) です。


パッと聴いた感じをすごい乱暴に表現すると、King Crimsonフュージョン流拡張版みたいなテイストですね。 上原さんはピアノの他に、Clavia Nord Electro 2 と Korg Microkorg を使っているらしいですが、そのコントラストが興味深いです。 ピアノのインプロビゼーションなんかは、割と端正かつコンテンポラリーなジャズ風味で、なんちゅうかオサレな雰囲気漂ってますけど、エレクトリックな方はかなり自由奔放なプレイですね。 ヒューマンヴォイスっぽさを意識したシンセ・ソロとか、なかなか面白いです。
そもそも、聴いて Crimson みたいと感じる最も大きな要因は、無機質なシークエンスの繰り返しがテーマになってる曲がいくつかあるのと、それが醸し出す緊張感のせいです。 しかも、ギターの David さんが、Robert Fripp みたいな音色で弾いてるもんだから、余計にそう感じちゃいますねw David さんのプレイ自体もかなり個性的なんで、本作のカラーに多大な影響を与えていると思います。


やたら Crimson って書いてますけど、乱暴に言えば、ですからw 当然、それ風じゃないナンバーも納められているし、彼女の持ち味でもある、変幻自在のダイナミズムをベースに、独特の緊張感をプラスした、聴いててすごく気持ちの良いサウンドを構築してます。 無機質なシークエンスの後ろに見え隠れするアグレッシブさもまた、彼女の持ち味ではないでしょうか。 初期の頃から一貫してる、グルーヴのなんともいえない心地良さは健在ですね。