高尾山

FC限定で発売されていたDVD「なっちのある日の休日」が届いたので見てみました。 内容は安倍なつみファンの集いでも上映された、なっちが高尾山を散策する模様を納めたものです。(ちなみに別編集) なっちがハンディカメラで気の向くままに撮った絵で編集されているので、基本的にまったりしてます。 なっちヲタ向けアイテムですが、ヲタ的には十分楽しめますね。


で、ここからなっちには関係のない話をw なっちは高尾山にケーブルカー(高尾登山鉄道)で登ってましたけど、ちゃんと登山道も整備されています。 さすがに都下の身近な山だけに、そこらへんはばっちりですね。 ワタシ自身はかなりの回数高尾山に登ってますが、1回だけ腰を抜かすほどびっくりしたことがありまして… 無駄に長いです。


高尾山のケーブルカーは登りは夏だと夕方6時発が最終です。 それ以降に高尾山に登ろうと思ったら登山道をちんたら歩いていくしかありません。 標高の低いところは鬱蒼とした杉林なので、暗闇の中を歩くには色々と根性がいりますが、富士山麓の樹海に比べたらちょろいもんです。 ちょっと脱線しますけど、富士山麓の樹海を夜歩いてると、思いの外いろんな人に出会います。 ほとんどは登山者ですが正体不明の人もいたりして、これまたアレなんですが、この話は別の機会にでも…


とあるお盆頃の蒸し暑い夜、汗びっしょりになりながら登山道をひとりで歩いて高尾山に登りました。 高尾山の登山道は数ルートありますが、短いルートだと登りに1時間はかかりません。 いい加減バテてきたころには茶店(もちろん閉店してます)が並ぶ尾根にたどり着きます。 夜の高尾山なんて何の用があるの?と普通の人は思うでしょうけど、いろんな人が集まってます。 一番多いのはムササビ観察の人達でしょうか。 
その日も上に登ってみると、何人か先客が居ました。 ワタシは尾根の道を行ったり来たりしつつゴソゴソしてました。(なっちがケーブルカーを降りてから歩いていた道です) ちなみに、この尾根道には水銀灯の照明が点在するので、辺鄙な住宅街くらいの明るさはあります。
いつもは空が少し白む頃まで上に滞在していますが、その日は途中から雨が降ってきたので予定を切り上げて早々に下山することにしました。 下りは雨で滑りにくいルートから降りることにして、茶店の横から降りはじめました。


尾根沿いは立派なイヌブナが点在する森なので、尾根道をちょっとそれると水銀灯の明かりが遮られて真っ暗になります。 下りの階段を数段降りるともう真っ暗で、雨のおかげで月明かりもありません。 ポケットから懐中電灯を取りだして、足元を照らしながら一段ずつ階段を降りていきました。 足元を照らしているので、当たり前ですが前方はほとんど見えていません。 
いい加減降りたところで、前方になにか気配を感じました。 夜の森なので、いろいろと森の動物も活動していて場合によっては危険なこともあります。 足を止めてちょっとびびりながら前方を懐中電灯で照らしてみると…


ひとりの男性がこちらに背を向けて立っているのが見えました。 中年の男性で、スーツ姿で茶色い革靴を履いています。 さすがにスーツ姿の人がいるとは思わなかったので、かなりびっくりしましたが、一応「こんばんは〜」と声をかけてみました。
が、その男性は無言で微動だにしません。 ちょっと不信に思って失礼ながらあちこち照らしてみると、雑誌のようなものを広げてそれに視線を落としているのがわかりました。 時刻は午前2時くらいでしょうか。 真っ暗な森の中で雑誌を広げているというのはどう考えても尋常じゃありません。 
尾根道まで引き返すのに、下った時間の1/3くらいしかかかりませんでした。 水銀灯に照らされた明るい場所に出てもしばらく心臓の鼓動が大きくなったままです。 ちょっと落ち着いてからもう1回見に行こうかと思いましたけど、止めました。 見に行ったらどうなってたんだろ?


こういう経験があると、びびって高尾山から足が遠のきそうですが、そんなこともなく次の週あたりに高尾山に登ったような記憶があります。 さすがにひとりではなんなんでお友達を誘いましたが。 帰りは試しに上のルートで降りてみましたが、なにも起こりませんでした。 ワタシにとって高尾山というのはこういう山ですw